雛型丸写しの就業規則等に注意
書籍やネット上にある、雇用契約書や就業規則の雛型は便利です。現実的には雛型を全く使わずに就業規則などを作ることは少ないでしょう。雛型があるからこそ、入れるべき事項を入れ忘れるということも防げます
しかし、トラブルの原因が雛型丸写しの書面であることもまた間違いありません。就業規則は労働基準監督署への届出が必要ですが、届出がスムーズに進むことと、実際の業務において機能する就業規則となるかどうかは別問題です。
使用した雛型が、大企業を想定されたものであったり、いわゆる「9時、5時」の業務を行う仕事などを想定し、残業等の規定が自社に適合しないなど、自社の業種、規模に見合う記載がなされていない場合が多いようです。
また、特に労働者の行動を制限する禁止事項などについては、就業規則に示されていないことを、職務上の命令だけで行おうとすることが、トラブルの原因となってしまうこともあります。
就業規則の記載は、もちろん法令に違反するものは無効ですが、必ず記載しなければならない事項のほかは、基本的に何を記載するかは自由です。雛型を上手に利用しながら、自社の業務がどのように回っているのかという実情に合わせて書き換えることこそが重要です。