労働基準監督署が調査する法律違反は?
労働基準監督署が、違反の有無について監督する労働法規には、残業代請求の項で説明した労働基準法の他、最低賃金法、労働安全衛生法、労働保険の関連法等があります。
労働基準法に関しては、例えば労働時間や、割増賃金についての調査を行います。1日8時間、週40時間の労働時間が守られているか、残業を行わせる場合に、適切な労使協定や就業規則があるかとどうか、時間外労働や休日・深夜労働に対する割増賃金が適正に支払われているか等が調べられます。
最低賃金には都道府県ごとの地域別最低賃金と、特定の事業・職業ごとに定められる特定最低賃金の2種類があり、より高い方が適用されます。最低賃金はほぼ毎年改定されており、労働基準監督署は事業者が現時点における最低賃金以上の賃金を支払っているかどうかを調べます。
労働安全衛生法は、「職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成と促進を目的とする」法律です。
労働基準監督署が調査するのは、同法で定められている安全・衛生管理に関する規定、例えば会社の設備機器等の安全管理、労働者に対する健康診断の実施、衛生管理者や安全管理者、産業医の専任等です。
また労働災害の未申告、いわゆる「労災隠し」の調査や労働保険料の徴収なども行っています。