労働基準監督署の臨検の種類
労働基準監督官が事業所に立ち入り検査をする、いわゆる「臨検」にはいくつかの種類があります。
まず、最も基本的な臨検に「定期監督」があります。過去の調査結果や行政運営の方針などに基づき、任意に事業所を選んで検査を行うものです。過去に違反事例がある事業所や、36協定の協定書が未提出の会社、頻繁に違反が起こる業種の会社などが調査対象として選定されやすいと言えます。
労働者とのトラブルに直結するのが「申告監督」です。在職中あるいは退職した労働者から、残業代の未払いや不当解雇などの法令違反について労働基準監督署に申告したことをきっかけにするものです。定期監督であるか申告監督であるかは、調査時にはわからない場合が多いようです。
「災害時監督」は、一定規模以上の労働災害が発生した場合に実施される調査です。労働基準監督官が、災害が発生した現場に赴き、災害原因を究明し、法令違反や再発防止について指導を行います。
そのほか、過去に勧告を受けたにも関わらず改善が見られない場合や、勧告に対する「是正報告書」が提出されない事業所に対し、再度行われる「再調査」があります。再調査は、是正報告書に記載された改善策の実施状況を確認するためにも行われます。