臨検では何を見られるのか?
臨検において詳細に調べられるのが、労働法規に関連する書類の有無と、その記載内容です。監督官は事業主に「○○を見せてください」と具体的な書類名を指定する言葉を矢継ぎ早に投げかけ、記載内容と現状の矛盾点を指摘してきます。
ほぼ確実と言って良いほど指定されるのが、出勤簿やタイムカード、時間外・休日労働の記録です。最も違反事例が多い「労働時間」に関する書類であるからです。
そして、賃金台帳や労働者名簿、就業規則等、労働法規上整備しなければならない書類、36協定や変形労働時間制等の協定書の控えなどもよく調査されるところです。
書類上の労働時間と実態を見比べるため、従業員への直接の聞き取りが行われることもあります。また最近は、パソコンのサーバの記録から、従業員が使用するパソコンの使用時間が調べられることも多くなってきたようです。
また労働安全衛生法関連では、これも違反事例が多い定期健康診断の結果を示す票などが調査されています。
ランダムに選定する定期監督に比べ、何らかの違反事例があるものと予見して調査する申告監督や再調査では、より詳細で厳しい調査が行われます。臨検の所要時間は2時間程度であることが多いようですが、調査内容が多岐に渡る場合はもっと長くなることもあるでしょう。