不当労働行為とは?
労働組合が団体交渉をする際、必ずといってよいほど引き合いに出される概念が「不当労働行為」です。労働組合法では、使用者による労働組合の権利侵害として、各種の不当労働行為を禁止しています。
例えば、労働組合の結成や加入、労働組合が正当な行為をしたことを原因に、従業員に対し解雇等の不利益な取扱いをすること、労働者を雇用する際に労働組合に加入しないことや労働組合から脱退することを条件とすること(黄犬契約)は禁止されています。
また、労働組合の結成、運営に使用者が支配介入することも、労働組合の独立性を侵す行為として禁止されています。労働組合の結成を阻止しようとしたり、組合員に脱退するよう圧力をかけたり、あるいは労働組合の運営経費を援助することもこれにあたります。
組合員が争議行為に参加して労務の提供をしなかった場合に、その部分について賃金を差し引かないことが経費援助となることも覚えておく必要もあるでしょう。
そして、団体交渉を行う際、最も注意しなくてはならない不当労働行為が、正当な理由なく団体交渉を拒否する行為です。団体交渉を受け入れるだけではなく、交渉の過程では合意形成を目指し誠実に交渉に対応することも求められています。