団体交渉が終結するとき
団体交渉により合意に達した場合は、和解についての合意書等を作成することになります。労働組合との間で作成されたサイン入りの文書の内容は、労働契約や就業規則よりも効力の強い「労働協約」となります。
協約の文言の決定は、後のトラブルを防ぐ意味でも、専門家の知見を必ず入れることをおすすめします。労働組合が作成した文書についてはその場でサインせず一旦持ち帰り、その内容を精査することも必要でしょう。
交渉を重ねても和解に至らず、決裂する場合もあります。誠実に交渉し、結果として交渉を打ち切ることは、不当労働行為ではありません。
交渉が決裂した場合の紛争解決方法としては、裁判所での訴訟がありますが、その他に、労働委員会による労働争議のあっせんがよく利用されています。公労使の三者で構成されるあっせん委員が、双方の話を聞き、必要に応じあっせん案を提示します。
労働委員会のあっせんは、労働組合から申し立てがある場合が多いといえます。しかし、交渉が平行線をたどり、打開できない場合に、使用者側からも申し立てを行うことも選択肢としてはあるでしょう。
ただし、あっせんは使用者と労働組合の双方から申請されるか、一方から申請された場合に相手方が応じなければできません。