団体交渉には誰が参加するか?
団体交渉では、使用者側の交渉担当者が指定されることがよくあります。多くは社長など会社の代表権を持つ人です。交渉の場で、有利な条件を確定させるためには、会社の決定権を持つ人が出席する方が良いからです。
しかし、団体交渉を行う人は必ずしも経営の決定権を持つ人でなくても構いません。社長は必ずしも会社の労務について十分に把握しているわけではないでしょう。また、組合側の出席者が法律について疎い社長に質問を集中し、失言・暴言を誘うこともよくあります。
法律の専門家である弁護士が交渉に出席することも可能です。ただし弁護士は法律の専門家ではありますが、その会社の事情に通じているわけではありません。会社の担当者を出席させず、弁護士に一任してしまうのも考えものです。
最も望ましい出席者は、労務担当役員など、労務に関する会社の状況と、労働法規の基礎を理解している人です。また、労務担当者に付き添う形で、社長や弁護士が隣席することも考えられます。その場合、不規則発言を避けるため、主に発言する人は1人に決めておくのが好ましいと言えます。
くれぐれも、全く労務に関係のない人を参加者とし、交渉において何も発言しないよう指示するといった不誠実な対応は避けてください。