副業を禁止することはできるか?
就業規則等で、従業員の兼業を禁じる規定を置いている会社は多いですが、副業等を禁止し、副業が判明した場合に、懲戒の対象とすることはできるのでしょうか。
原則として、使用者の管理監督権のない就業時間外の時間の使い方は労働者の自由です。兼業禁止の規定があったとしても、それが会社業務に支障をきたさず、会社に損害のない場合には、懲戒の対象とすることには困難が伴います。
しかし、会社のパソコンを使って勤務時間中に副業をしている、あるいは会社で知り得た情報を使って競業に当たるビジネスを行っているなど、明確に会社に損害を与える行為はもちろん禁止することができます。場合によっては刑事告訴をすることも検討すべき事例もあります。
一口に副業といっても、会社に与える影響が大きいものと小さいものにはかなりの差があります。兼業禁止の規定の効果が限定的で、小さな副業を黙認せざるをえないとなれば、会社に損害を与える副業の抑止力にもなりにくいでしょう。
むしろ、許される副業の形を示した上で、就業時間中の副業や競業等、絶対に許されず、厳格な処分を行う副業と区別して定め、その考え方を周知徹底するスタンスを取るほうが、トラブル防止に役立つともいえます。