労災の基本
会社と労働者の争いになりやすい事の一つに、労働災害(労災)があります。社員の怪我や病気を労災として認定し、労災保険の申請を行うかいなかについて争いになるのです。労働災害により病院にかかった場合、通常の健康保険は使えず、必ず労災保険を使わなければなりません。
労災により会社を休んだ場合、休業4日目以降平均賃金の8割が労災保険から補償されます。3日目までは使用者が平均賃金の6割を補償する必要があります(従業員の希望により有給休暇とする取り扱いも可)。
労災の申請書には、事業主の証明欄があり、被災した事実や、賃金等の証明をする必要があります。しかし、労災保険の保険料が上がることや、労災の内容に関する労働基準監督署の調査を嫌って、証明に協力せず、労災を隠そうとすることもあります。
事業主は一人でも労働者を雇用する場合は労災保険に加入しなくてはなりませんが、労災保険に加入していない中小企業が多いという問題もあります。労災保険の未加入が顕になることを避けるために労災隠しをするという現実もあります。
事業主が労災保険に未加入、保険料の未払、あるいは証明に応じない場合でも、被災の事実があれば、労働者が労災申請をすることが可能です。証明を拒否された場合には、その旨を申請書に記載することになります。
安易に労災の申請を避けようとすると、後々大きなトラブルになる可能性があることを覚えておくべきでしょう。