有給休暇の基礎
法律で使用者の義務として定められ、各社の就業規則にも必ず記載される有給休暇(年休)。しかし特に中小企業では社員のほとんどが未消化であるなど、制度と実態とかけ離れてしまいがちなものの一つとなっています。
ここで、まず有給休暇の基本を説明します。使用者は、6ヶ月継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に対し、継続又は分割した10労働日の有給休暇を付与する義務があります。この継続勤務の期間には休職期間なども含みます。
6ヶ月継続勤務で10日の年休を付与した後は、1年ごとに付与される日数が加算されます。6年6ヶ月後には、1年の付与日数が20日となり、その後は毎年20日が付与されることになります。
パートタイマーについても週の所定労働日数、時間による一定の計算による年休を与えなくてはならないことになっています。
未消化の年休は翌年に限り繰り越しが可能で、年休の請求権は2年で時効によって消滅します。つまり、翌年への繰越分と1年ごとの加算により、年休は最大で40日付与される場合があるということです。
労働者が年休の請求をする際に、原則として使用者の承認は不要です。特に、自社の従業員の年休がほとんど未消化の状態になっている場合、請求を受けた場合のリスクが非常に高い状態であると言えるでしょう。