解雇の種類 整理解雇
経営不振など、会社の事由によって解雇するのが整理解雇です。いわゆる「リストラ」と言われるものがこれにあたります。労働者に直接的な原因がない解雇ですので、要件は厳しくなります。
整理解雇の要件としては、まず、経営状態などの観点から人員削減の必要性があるかどうか。財務諸表や人件費にかかる帳簿等から、解雇の必要性を説明できるようにしなければなりません。
そして、解雇を回避するために人員の配置、労働時間、残業の削減や希望退職といった手段を検討した上で、なお整理解雇の選択に必要性があるか。回避手段を一つ一つ検討したことを示せるようにしておく必要があります。
そのほか、解雇される人の選定が基準に基づき行われ、妥当性があるか。労働組合等、労働者の代表との協議を十分に行ったかどうかも整理解雇として正当であるかどうかの基準となります。
普通解雇にしろ、整理解雇にしろ、解雇が行われた理由を書面の記録を使って論理的に説明することが求められます。現実的には、解雇を検討する際、本人に原因を求める普通解雇と、経営状態等を原因とする整理解雇は分かちにくいものですが、どちらの観点から論理を組み立てるのかをしっかりと整理しておくことが重要です。