通勤災害と労災
労災は、従業員が業務上の原因で怪我をしたり病気になったりした場合に適用されますが、しばしばこの「業務上」の範囲が問題となります。
例えば通勤中の災害。通勤災害は業務と密接な関係があるため、業務災害とほぼ同じ補償が受けられます。つまり原則として通勤災害についても労災申請をしなくてはならないことになります。ただし、通勤災害には使用者の責任がないため、休業3日目までの給料の補償をする必要はありません。
通勤とは、就業に関し、住居と就業の場所との往復を合理的な経路と方法により行うことをいうとされています。出張や、使用者が用意した移動手段を利用している際など、業務の性質のあるものは通勤災害ではなく業務災害となります。
通勤の途中にはいろいろと寄り道をするものです。通勤の経路上で通勤と関係ない行為を行う場合、合理的な経路と方法による通勤が中断されるため、原則としてそれ以降の移動は通勤には当たりません。
しかし、これには例外もあり、日常生活上必要な行為であって、最小限度の範囲で行う場合には、その用が済んだあとに合理的な経路に復帰した後は通勤となります。例えば、日用品の購入、職業訓練等、選挙の投票、病院の診療などが挙げられています。