残業代請求はなぜ増えているか② 弁護士の動き
残業代請求への世間の注目の高まりには、弁護士の動きも一役買っていると言われます。新しい弁護士の活躍の場として、残業代請求における労働者の代理人への就任に視線が注がれているのです。
弁護士にとって残業代請求は、日本の企業にサービス残業や長時間労働が多かれ少なかれ常態化している実態があることから、労働者の潜在的な需要が高く、また請求によりある程度の支払いを勝ち取れる可能性が高い業務であるという側面があります。
また、労働基準監督署のあっせんや労働審判など、紛争を迅速に解決する制度が整備されているため、短時間で多数の案件を処理できること、個別事案に共通点が多く、業務の効率化を図りやすいということも指摘されています。
司法制度改革による試験制度変更等で、弁護士数が急激に増加したことによって、新しいマーケットが必要とされていることの影響と見る向きもあるようです。ちなみに弁護士の数は、2000年に17126人、2012年には32088人に増加しています。
弁護士業の広告解禁の影響もあり、WEBサイトや電車の中刷り広告でも、「残業代請求」の文字が盛んに見られるようになりました。今後も、この問題に関する労働者への周知はますます高まることが予想されます。
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