「名ばかり管理職」問題から見えてくるもの
労働基準法上の管理監督者と残業代の問題については、「名ばかり管理職」問題で一般的によく知られるところとなりました。
管理監督者として残業手当を支払われていなかった労働者が、実質的にほかの労働者と変わらない労働を行っているとして、未払の残業代を請求。紛争に発展し、裁判で残業代請求が認められるという事例が出てきたのです。
有名紳士服店やファストフード店などの店長の事例についてマスコミ等でも広く取り上げられたことから、経営者の間で、自社で「管理監督者」として扱っている労働者に関して再検討が必要であるとの認識が深まりました。
学者や、弁護士ら法律実務者のあいだでも盛んに議論が行われており、今後も新たな事例が出てくることは想像に難くありません。判例や行政による指導の先例も蓄積され、判断材料となる要素が出揃ってきている印象です。
大まかに判断材料となり得るものを挙げると、採用や解雇など人事、労働者の配置などに関する権限があるか、自己の労働時間について裁量があるか、通常の職務内容がほかの労働者と異なるものであるか、役職手当などの待遇がほかの労働者と差別化されているか、長時間の労働が常態化し、1単位時間の給与が著しく低くなっていないか、などについて着目されているようです。
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