未払残業代の時効は3年
残業代請求の内容証明には、「○年○月○日~○年○月○日まで」というように、対象となる労働を行った期間が記載されていることが多いと思います。この期間のうち、時効により支払い義務を免れることができる期間があるかどうかを確認しておく必要があります。
賃金債権の時効は、3年です。法改正により5年となりましたが、経過措置により当面の間3年とされています。
覚えておきたいことは、この3年がいつから始まるのか、いわゆる時効の起算点の問題です。法律上は債権の消滅時効の起算点は「権利を行使することができる時」です。つまり労働者が使用者に賃金を請求できる時ということになります。
賃金は労働の対価ですから、労働をした日から請求ができるものと思いがちです。しかし、実際は、個々の就業規則等で、月ごとに締め日があり、翌月の一定の給料日に支払われることになっていると思います。時効の起算日は、この給料日の翌日からということになります。
例えば2021年3月の労働について翌4月15日に支払いがなされるといった場合、起算点は2021年4月16日、時効期間が満了するのは2024年4月15日ということになります。
なお、事項により支払い義務を免れるためには、債務者が時効の効果を発生させる意思表示をすること(援用)が必要となります。
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