残業代請求で、弁護士にできること
残業代請求が紛争状態に発展した際、弁護士の役割は法令の条文や判例に照らして、有力な証拠を集め、法的に適切な主張をしつつ、交渉や裁判所での審判・訴訟を有利に進めることにあります。また、当然、訴訟代理人として法廷に立つことは弁護士にしかできません。
労働審判においては、「当事者の権利利益の保護及び労働審判手続の円滑な進行のために必要かつ相当」な人も、裁判所の許可を得て代理人になることもできるとされています。しかし、裁判所も「弁護士の関与が望ましい」としているように、実務的にはほとんどが弁護士により行われています。
弁護士は紛争の際の代理人として力を発揮しますが、それ以前に、誰しも労働者と紛争状態になることを望んではいないでしょう。最も大切なことは、トラブルを未然に防ぐために会社の体制を整えることです。
弁護士は紛争の種となる社内の就業規則や雇用契約、労働管理の方法などを一つ一つ検討し、法的に適切なアドバイスを行うことができます。もちろんこれは、万が一紛争状態になった時も主張がしやすくなるということでもあります。
請求書が届いた時、紛争が発生した時、裁判になった時。弁護士に依頼するタイミングは様々に考えられますが、早めの対応が会社の負担を低減するために有効であることは間違いありません。
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