労働基準監督署のあっせん
未払残業代に関する紛争を解決するための手段の一つに、労働基準監督署によるあっせん制度があります。賃金の問題だけではなく解雇や労災等、労使間の問題解決に広く利用されています。
労働基準監督署に設置され、労働問題の専門家であるあっせん委員によって組織される紛争調整委員会が、使用者と労働者の双方の意見を聞き、あっせん案を提示。和解を促します。
あっせん制度を利用するためには、使用者か労働者いずれかが申請を行う必要があります。申請が行われた場合、労働基準監督署は調査の上あっせんの期日を提示し、双方に交渉の場を提供します。
あっせんのメリットは、裁判等とは異なり、費用が無料であること、そして非公開であることがあります。またスムーズに事が運べば申請から1ヶ月程度で解決するという迅速さもあります。
ただし、あくまで和解案を提示する場ですので、強制力はなく、すでに紛争が先鋭化して、双方に話し合いによる解決を望む意思がない状態であれば利用のしようがありません。あっせん案は拒否することもできますし、そもそも話し合いに応じないこともできます。そのような場合は労働審判や訴訟によって争われることになります。
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