残業代請求は辞めたあとの社員から来ることが多い

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残業代請求は辞めたあとの社員から来ることが多い

残業代請求について、会社が将来のリスクを計算することは困難です。その理由は、請求が現在働いている従業員だけではなく、辞めた後の従業員から行われることが多いからです。

 

残業代請求は、労働者が受けるべき労働の対価が支払われていないため、会社に対する債権となっているという考え方でなされるものです。「債権」あるいは「債務」という言葉の一般的理解と同じく、これは「お金の貸し借り」がある状態です。

 

借金を消滅させるには、返済するか放棄してもらうか、あるいは時効の成立などの必要があります。未払残業代の債権はその労働者が会社を辞めたとしても消えるものではありません。むしろ時間が経つと、借金と同じように利息すら発生してしまいます。

 

会社と争う覚悟で行うという性格があるため、残業代請求は会社の在職中よりも、退社後に行われることが多いと言えます。これは経営者にとってみれば、「忘れた頃にやってくる」怖い存在といえるでしょう。

 

そして、過去に在籍した社員の一人が「債権」を持っているとすると、同様の形態で労働した人に対しても、計り知れない額の「債務」を負ってしまっているとも考えられます。経営者にとって非常に頭の痛い事態が目の前に横たわっているのです。

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