割増賃金とは② 休日労働
労働基準法では、労働者に少なくとも1週間のうち1日、または4週間のうち4日の休日を与えなくてはならないと定められています。この最低限の休日は、法定休日と呼ばれます。
法定休日に労働を行った場合には、割増賃金を支払う必要があります。割増率は35%以上となっています。法定休日を超える日数の休日がある場合、就業規則等で別段の定めがない限り、休日に労働した場合も通常の額を支払えば問題はありません。
多くの会社で採用されている土日の週休2日制で考えてみましょう。もし、月に4回土曜日に休日出勤を行った場合、労働基準法上の最低の休日は満たしていることになりますので、この4日について割増賃金を支払う必要はありません。
また、土日週休2日の場合に、ある1週だけ土日両方に休日出勤が行われた場合を考えてみましょう。この場合、1週間のうち1日の休日が取れていません。しかし、4週間で4日の休日という要件を満たしていれば割増賃金を支払う必要はありません。
つまり、4週間のうち3週間、無休で働いたとしても、最後の週に振り替えで4連休を与えれば割増賃金の対象にはならないということです。
お盆や年末年始などに労働した場合も、もちろん就業規則に特別手当などの規定があれば別ですが、法定休日の日数を超える休日数があれば、割増賃金の対象外です。
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