内容証明が届いても慌てないこと
残業代請求では、まず内容証明郵便が会社に送られることがほとんど。内容証明郵便とは、郵便局が記載内容や差出し日、到達日の証明を行う郵便物のことです。郵便局に謄本が残ることになりますので、いわゆる「言った、言わない」という争いを防ぐ効果があります。
請求する側は、内容証明に請求をしたという証拠の効果を期待しているということは間違いないのですが、内容証明にはもう一つ「心理的プレッシャー」という効果が期待されていることも否定できません。
貸金の返済請求などで、明らかに弁済期を過ぎた債務があるにもかかわらず、債務者がのらりくらりと返済を避けている状況の場合、内容証明を送るだけであっさりと返済が行われるという事例が多くあります。「もう逃げられない」と覚悟を決めさせるわけです。
このような効果がある内容証明ですから、残業代請求に関しても受け取った方は心穏やかではないでしょう。しかし、重要なことは慌てないということです。内容証明が証明するのは請求をしたということであって、当然のことながら請求の正当性を証明しているわけではないのです。
労働者の主張に正当性があるのかを会社側が持つ資料等から見極める時間は十分にあります。ただし、内容証明を無視するのは得策ではありません。まずは請求を受け取ったこと、検討の上回答する旨の返答をするとよいでしょう。
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