割増賃金とは③ 深夜労働
割増賃金の一つに、午後10時から午前5時までに行った労働については、通常の賃金の25%以上を加算する「深夜割増」があります。夜勤がある業種、深夜に及ぶ残業が行われている会社は特に注意すべき規定です。
夜勤がある業種で注意したいのが、深夜にしか勤務がない従業員の扱い。アルバイトなどでは特に、法定の深夜割増を含めて日給などとして賃金を支払っているケースがありますが、その賃金の内訳がしっかり書面にされ、合意がなされていないと、トラブルのもとになります。
深夜の残業は常態化することが多く、労働管理を行わず、なし崩し的に社員が深夜まで人が残っている会社も存在するようです。そのような会社で割増賃金が後々になって請求されると、請求額も大きくなってしまいます。
また、社内のある部門にのみ、長時間の残業がある場合に、経営者やほかの社員がほとんど帰宅しており、タイムカードなどに示された時間に労働が行われていたか否かについて確認しにくくなるという事例もあるようです。
そして、後に詳しく説明しますが、深夜労働の割増賃金は、時間外労働の割増賃金と重複して請求されることが多いことも経営者にとって注意すべきポイントといえるでしょう。
割増賃金とは③ 深夜労働関連ページ
- ある日突然、請求が届く
- 残業代請求はなぜ増えているか① 行政の動き
- 残業代請求はなぜ増えているか② 弁護士の動き
- 残業代請求は辞めたあとの社員から来ることが多い
- 残業代請求リスクを減らすには
- 労働基準法が全てを決める!
- 労働基準法の対象は「労働者」
- まずは法定労働時間を知っておこう
- 時間外労働・休日労働には条件がある
- 残業をさせるには「36協定」が必要
- 割増賃金とは① 時間外労働
- 割増賃金とは② 休日労働
- 時間外労働が月60時間超えると割増賃金は倍増
- 割増賃金は重複して適用されるのか?
- 基準賃金からの割増で残業代が決まる
- 変形労働時間制とは?
- 1ヶ月単位の変形労働時間制
- 1年単位の変形労働時間制
- フレックスタイム制の導入は慎重に
- 業種が限られる「専門業種型裁量労働時間制」
- 外回りの営業等には「みなし労働時間制」が有効
- ホワイトカラー向け「企画業務型裁量労働制」
- 管理職には残業代を払わなくて良いのか?
- 「名ばかり管理職」問題から見えてくるもの
- 機密事務取扱者とは?
- 監視労働・断続的労働とは
- この時間は労働時間? ①休憩時間・手待時間
- この時間は労働時間?② 通勤時間・出張の移動時間
- この時間は労働時間? ③持ち帰り残業
- 内容証明が届いても慌てないこと
- 残業代請求の内容証明には何が書いてあるか
- 残業代請求の内訳を精査する
- 未払残業代の利息・遅延損害金について
- 未払残業代の時効は3年
- 時間外労働を計算する
- タイムカードはどの程度有効か?
- 労働基準法上の諸条件を確認する
- 当事者同士の交渉による解決
- 労働基準監督署のあっせん
- 労働審判とは
- 残業代請求で、弁護士にできること