機密事務取扱者とは?
労働基準法では、管理監督者と同じく労働時間・休憩・休日に関する規定が適用されない者として、「機密の事務を取り扱う者」が挙げられています。
一般的に「管理職」という類似の概念がある管理監督者と比べ、「機密事務取扱者」は条文だけ読んでもどのような業務を行う人なのか、わかりにくい面があります。
機密事務取扱者については判例で「秘書その他職務が経営者又は監督もしくは管理の地位にある者の活動と一体不可分であって、厳格な労働時間管理になじまない者」とされています。
判例で挙げられている具体的な職種は「秘書」です。しかし管理職と同じように、秘書という肩書きがあるだけでは機密事務取扱者として認められるとは言えないようです。経営者等と「一体不可分」の業務でなくてはならず、実質的に経営者と行動を共にし、同様の業務を行うというものという意味となるでしょう。
例えば社長室で社長の指示のもとに書類の整理やお茶出し等を行うだけの業務であれば通常の労働者と同様の扱いとすることが妥当でしょう。
機密事項取扱者に関しては、管理監督者と比べ事業者が労働者に対して適用している例が少ないと言えます。そのため、残業代等に関する判例や前例の蓄積も多くなされているわけではないようです。
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