労働審判とは
交渉やあっせんによる解決が叶わなかった場合は、紛争の舞台は裁判所に移ることとなります。
解雇や給与の未払の紛争に関しては、通常の訴訟に加えて、2000年に「トラブルの実情に即し、迅速、適正かつ実効的に解決することを目的」に導入された労働審判の制度があります。
労働審判を行うには地方裁判所に申し立てを行う必要があります。審判では、紛争の当事者と、裁判官1人、労働組合出身者や使用者団体出身者による2人の労働審判員を交えた審理により、調整の成立を目指します。
労働審判は個別の労働者と使用者の紛争解決の手続きです。したがって労働組合が当事者となる集団訴訟は対象外です。
労働審判は、原則として3回以内の期日で審理するとされています。そのため通常の訴訟と比べ迅速な問題解決が望めます。また審理は非公開です。そして、調停が確定した場合は、通常の訴訟と同じように強制力があります。
審判に関して当事者どちらかから異議の申立てがあれば、労働審判は効力を失い、訴訟に移行することになります。また、労働審判委員会は、労働審判手続の申立てがあっても、事案が複雑であるなどの事情で労働審判手続を行うことが適当でないと判断したときには、訴訟に移行させることもあります。
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