管理職には残業代を払わなくて良いのか？
労働基準法では、「監督若しくは管理の地位にある者」については労働時間・休日・休憩等の規定は適用されず、時間外労働への割増賃金を支払う義務はないとされています。
そのため「管理職には残業代を払う必要がない」「課長職以上に対しては残業代は払わなくて良い」という解釈をされることがよくあります。
労働基準法上の「管理監督者」と、一般的に言われる「管理職」には、ずれがあります。管理監督者は、労働条件の決定等で、経営者と一体的な立場にあること、時を選ばず経営上の判断や対応が要請され、労務管理においても一般労働者と異なる立場にあること、そして給与等で相応の待遇がなされていることなどが要件として挙げられます。
つまり肩書きは管理職であっても、実質的に管理監督業務を行っているとされなければ、労働基準法上の管理監督者とはならず、通常の労働者と同じように割増賃金などの支払いをしなければならないことになります。
残業代請求において、この管理監督者にあたるのかということが頻繁に争いの対象となります。経営者と労働者の見解に違いがある状態を放置することは非常に危険です。形式的に管理職には残業代を支払わないと考えることはトラブルのもととなるのです。
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