残業代請求リスクを減らすには
残業代請求のリスクを最小化するために必要なことは、まず過去、現在の会社の業務内容を整理して、リスク要因を洗い出すことです。その際には、残業代請求の根拠となる法令の基礎を理解することが重要となります。
辞めた社員の残業代請求について事前に準備できることは、確かに限られています。しかし、仮に請求を受けた場合にどうするか、というシミュレーションをしておくことは無駄ではありません。
というのも、残業代請求の際、労働者が乏しい証拠で無理な請求をする場合が多いためです。根拠のない請求に反論するためにも、過去の労働に関する記録を揃えておく必要があるでしょう。
そして、現在の体制についてはなるべく早く総チェックを行いたいものです。重要となるのは雇用契約書や就業規則等の書類です。書類上のルールと現状が乖離している会社は、リスクが高い状態であると言わざるを得ません。残業や休日出勤、直行・直帰の届出など、書面をベースに社内ルールを整備し直す作業も必要となります。
ここで注意しておきたいことは、いくら労使間の「合意」があったとしても、関連する労働法令に違反するルールは無効になってしまうことです。書類について専門家による法的チェックを受けることが有効となります。
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